《社史制作・社史編纂》知っているようで知らない社史のこと

社史について

自社発行される記念誌や周年史は社史と何が違うの?

節目を迎える企業が制作を検討するのは、何も社史だけではありません。例えば、「記念誌」や「周年史(年史)」と呼ばれる印刷物も企業から自社発行されています。
 
  • 記念誌と社史の違い
社史と記念誌の違い、それは社史が企業の歴史や歩み、商品開発までの道のりなどをまとめたものであるのに対し、記念誌は発売記念イベントや賞の受賞などを記念して発行されるものである、ということです。
社史には、創業からの全ての年代を細かく記述する場合もあれば、20周年までの過去10年間を振り返った歴史が記述されるなど、企業によって記述される内容が異なります。記念誌は社史とは異なり、必ずしも企業の歴史に触れる必要はありません。その理由は、受賞に対するお祝いメッセージや感謝の気持ちを表すために制作するのが記念誌だからです。
 
  • 周年史(年史)と社史の違い
企業が節目を迎える時期に制作されるという点では、周年史(年史)も社史も同じです。ただし、厳密にいうと、周年史は企業に限らず、公共団体や学校法人、市区町村など、特定の団体においても使用できる呼び方です。一般的には、団体が自主的に周年史を作ることが多いのですが、場合によっては第三者により作成される場合もあります。
一方で、主に企業自らがこれまでの歩みや歴史をもとに、自社の責任のもと発行されているのが社史です。周年史はその名の通り、20周年や50周年といったように周年記念を迎える年に発行されますが、社史の場合は必ずしも周年記念の時だけに発行されるとは限りません。場合によっては、株式の上場や経営者の交代といったタイミングで制作されることがあるためです。
 

社史づくりの方針を決める重要な要素とは?

社史づくりの方針を決める重要な要素となるのが、社史を制作する「目的」や「ターゲット」の選定です。
 
社史を制作する目的を明確にする
企業の数だけ個性的な社史が発行されていますが、他社と差別化を図り、自社ならではの社史を制作するためには「目的」を明確にすることが大切です。例えば、「会社の資料を保管・管理するため」「対外的な広報活動のため」「周囲へこれまでの感謝を伝えるため」「社員教育や新人研修に使うため」など、企業によって目的は社史制作を行う目的はさまざまです。これらの目的をリストアップして、その中から優先順位を決めて社史制作の目的をきちんと固めておくようにしましょう。
 
社史を読んでもらいたいターゲットを設定する
社史制作をする目的が明確になれば、その社史を「だれに読んでもらいたいのか?」という「ターゲット」を設定することができます。例えば、会社の資料を保管・管理することを目的とするなら、大半の読者となるのは「社員」です。また、対外的な広報活動を目的とするなら、ターゲットは社内外の関連業者や取引先となります。このように目的やターゲットを事前に固めておくと社史づくりの方針がしっかり定まり、より計画的に作業を進めることができます。
 

社史をつくるタイミングは?周年ごと?

周年記念などの節目を迎える会社により制作される社史は、企業により自費で制作・発行されることから必ずしも「〇〇周年で社史発行する」といった明確な決まりはありません。社史は年史のように周年記念を迎える際に制作されるだけでなく、「節目(株式上場や経営者の交代など)」に合わせて作られることもあります。また、社史には正史・通史・周年誌・略史・小史・記念誌などの形式が存在するため、10~20年の周期で社史制作を行う企業が多い一方で、特別なお祝いやイベントが開催されるタイミングで社史が制作されることも珍しくありません。
 

社史を制作することで様々な効果が期待できます。例えば、「企業経営に関する資料の保存や管理ができる」「節目を迎える企業の一員であるということを社員に意識づけられる」「家族や取引先などに会社の考え方などに対する理解を深めてもらえる」「対外的に商品やサービスをアピールできる」「将来的な経営に役立てることができる」といったことです。
企業を代表して社史制作の担当者に選ばれたときは、「こんな大役を務められるのか・・・」と不安になる方もいらっしゃるかと思います。ただし、社史制作に携わることで、さまざまな事を自ら経験することができるほか、これまでは知り得なかった社史の奥深さや魅力を直に感じられることができるはずです。そのような誰もが経験するとは限らない社史制作の担当という絶好の機会を、ぜひチャンスに変えて最高の社史作りをしていきましょう。

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